FIDとは?以前のCore Web Vitals指標First Input Delay、INPとの違いについて

SEO

FIDとはFirst Input Delayの略で、ユーザーが最初にWebページで操作した時の応答速度の数値です。2024年3月までCore Web Vitals(コアウェブバイタル)の指標として使われていました(現在の指標はINP)。

FIDを日本語に訳すと「初回入力遅延」となります。イメージが付きやすいですね。リンクをクリックしたり、ボタンをタップしたりという時の反応開始の時差が少ない方が優れたUIとなります。Googleはこのスコアを数値化してSEOのアルゴリズムに取り入れています。サイトが大規模になれば対応が困難なケースがありますが改善してほしい事項です。

FIDの計測方法

2025年2月現在、Core Web Vitalsの指標はFIDからINPに変わっているのでFID自体を計測する必要はないかもしれません。数値として把握したい場合、Google Chrome機能拡張である「Core Web Vitals」をインストールすれば確認できます。

FID計測方法

ご覧のようにメニューをクリックした時にFIDスコアが表示されます。なお、FIDのスコアはモバイルの場合、緑(高速:0~100ミリ秒未満)、オレンジ(中程度:100ミリ〜300ミリ秒未満)、赤(遅い:300ミリ秒以上)となります。

FID低下原因と改善方法

前回の記事と重複する部分が多いのですが、FIDはユーザーのインタラクティブ性の反応速度のみを対象としています。ボタンをクリックしてから動作が開始されるまでの時間です。その起因となるのは以下と考えます。

  • JavaScriptの読み込みと実行
  • ページの肥大化(HTMLタグの数と深さ)

上記低下原因の改善方法としては次の内容が考えられます。

  • JavaScriptを厳選する、使用していないJavaScriptの削除
  • JavaScriptの非同期化、読み込みの優先順位をコントロール
  • HTML軽量化
  • HTMLの階層を浅くする

前回のINP改善方法より限定的となっています。現状FIDはCore Web Vitalsでサポート終了となっているのでFIDに限定した改善施策は意味がないかなと考えます。

INPとの違い

FIDは最初のユーザーアクションの反応速度のみを対象としているのに対し、INPはユーザーアクションの完了までを対象としています。言葉として何となくわかるかもしれませんが、改善方法部分で比較するとよりイメージが付きやすいかもしれません。

INPとFIDはユーザーのインタラクティブ性への指標なので主にJavaScriptが改善対象となります。加えてHTML・CSSの軽量化です。FIDはこれだけでスコア改善が期待できますが、INPはさらに画像対策が必要となります。画像の読み込み遅延や軽量化をしないとINPのスコア改善は不足します。画像は他の指標にも影響するCore Web Vitals対策の重要な箇所と言えます。

次回はFCPについて解説します。

西部俊宏
執筆者:西部俊宏
株式会社Webの間代表取締役。上場企業でのSEOやWebサイト構築実績多数。ECサイトのカスタマイズ経験も多数あり。
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