インハウスSEOによるコンテンツ施策の注意点
SEOSEOの対策が外部施策中心から内部・コンテンツ施策が重視されるようになり、SEOを自社で取り組む企業が増えました。「SEO会社へ丸投げすれば大丈夫」とは限らないので、自社のSEOに関する方針を定め、外部へ委託したとしても施策効果の良し悪しを自社で判別できるようにしておきたいものです。
Webサイトの成果目標とSEO成果目標の違い
企業としての目的はWebサイトを通じて成果を獲得することです。ECサイトであれば「購入」、リアルな営業が必要な商材であれば「お問い合わせ反響」、サービス利用者獲得であれば「会員登録」などです(会員登録後の「課金」が目標となる場合もありますね)。対してSEOの成果としては特定キーワードであれば「順位」、検索エンジン経由での来訪者獲得であれば「流入数」でしょう。
SEOの成果が感じられない場合、「集客自体が全くない」というケースと「流入数は増えているがコンバージョンに繋がらない」ケースがあります。前者はSEOの施策自体の見直しが必要、後者の場合はコンテンツ設計の見直し(場合によってはキーワード変更が必要)が中心となります。
最近ではSEOに対する企業の理解度が増えていますが、前者のケースである場合は専門家へ相談してみることをお勧めします。一度外部の意見を取り入れてリフレッシュした方が良いと考えます。意外と自社のことはわからなくなってしまうものです。
後者の場合は難易度が高いです。多くの場合直帰率が高いはずです。仮に直帰率の目標値を40〜50%とした場合、どのくらい差があるでしょうか? 直帰率は自社サイトとマッチしているキーワードで集客できれば目標値の到達は可能でしょう。しかし、集客が増えると比例して自社とアンマッチなキーワードもカバーし、直帰率も悪化します。コンテンツSEOに取り組む企業はこの直帰率の改善が目下の課題でしょう。ここから自社の成果目標を達成するには非常に労力が要ります。
SEOの施策に対する今後の方針
- リライト及び導線設計の変更、コンテンツ内容を自社目標へ誘導する
- 目標を認知へと切り替え、成果獲得へは別手段を講じる(リマケ・リタゲで追いかける)
- キーワード変更、対策方針を見直し自社にマッチするキーワードへ施策を転換する
1・2はセットで取り組みます。直帰率が高いユーザーは潜在客である可能性があります。成果に近いのは顕在客ですが、顕在客向けのキーワードは競争率が高いです。潜在客を獲得している場合はユーザーが顕在化した時にリーチした方がコンバージョンに繋がります。SEOに取り組みリマケ・リタゲの成果が増えている場合、SEO効果が発揮している可能性もあります。SEO単体ではなく、他の施策も踏まえて判断すべきです。
平均ページ滞在時間も考慮する
おそらくGoogle Analyticsでアクセス解析をしていると思いますが、直帰率に加えて「平均ページ滞在時間」も考慮してください。ユーザーが当該ページで閲覧している時間です。直帰率が高くても平均ページ滞在時間が長い場合はじっくりと閲覧されています。この場合は潜在客向けのコンバージョンを用意したり、リマケ・リタゲで追いかけるといった施策が考えられます。直帰率が高く平均ページ滞在時間も短い場合はファーストビューの見せ方を考慮したり、場合によってはコンテンツを見直す必要があります。
- 執筆者:日下誠彦
- 株式会社エフティスマイル代表取締役。上場企業でのSEO・SEMの実績多数。現在は企業のSEO・インターネット広告におけるコンサル業務、及び自社サービスのSEO・SEM戦略を行っている。
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